Trip Note (小浜島:2018年6月)- memorandum#00014 –

08/09/2018

総括

2018年6月中旬の小浜島訪問。

約5年ぶりに島を訪れてみた。ほとんどは、まったく変わっていない。

けれど、島の産業が、サトウキビ中心から牧畜に変わりつつあったリ、ゴーストホテルと呼ばれていたエリアが、別荘として使われていたり等、少し以前と変わっているところもあった。

しかし、島独特のゆったりと流れる時間や、おおらかで、のんびりとした島の人たちの様相は、以前と少しも変っていなかった。

 

小浜島へは、石垣島離島ターミナルから

小浜島へは、船で移動。所要時間は約30分(途中竹富島を経由する便は約40分)。

安栄観光と八重山観光フェリーの2社が船を運行。両社は共同運航を行っていて、どちらの会社を利用しても良い。

単純往復のチケットを買っても良いし、島内観光と乗船料が一つになったパッケージツアーを使っても良い。

小浜島は、坂が多いので、足腰に自信がない人は、島内観光バスを利用するツアーがお勧め。
自転車を借りるならば、ぜひ電動自転車プランで。

僕は、電動自転車レンタルと乗船料が一つになったパッケージを申し込んだ。

 

電動自転車レンタル

電動自転車は、小浜港のターミナルを出て、道路を挟んだ反対側にある店で借りる(レンタカーなども、このエリアで借りることが出来る)。

石垣でチケットを購入した後、運行会社さんが事前に連絡をお店に入れている為、手続きはスムーズ。

自転車屋さんでは、手作りの小浜島地図を入手。見どころがコンパクトにまとまっていて便利。

お店のおじさんが、どうやって回ると、効率的かを教えてくれる。勧めてくれたのは、以下のようなルート。

小浜港→大岳展望台→小浜島ビーチリゾート→集落→石長田海岸(マングローブ)→細崎→シュガーロード→はいむるぶし→小浜港

 

島内観光スタート

 

最初に向かったのは大岳展望台

電動自転車を借りたのち、最初に向かったのは、大岳展望台。

自転車を入り口に止め、緑に囲まれた階段をひたすら進む。季節柄か(6月)湿気がものすごく強い(たぶん草木からムンムンに出ている?)。

頂上から眺める景色を心の支えに、汗をかきながら、階段を登る。

汗だくになりながら、頂上へ。

頂上からは、石垣島、竹富島、黒島などの島々が見え、小浜島全体も見渡せる。汗だくになってでも、登ってよかったと思える景色。

眼下には、サトウキビ畑や牧草地が見え、のんびりした島の様子もうかがうことが。

 

◇サトウキビ畑が眼下に広がり、その先には、石垣島が。

 

◇写真真ん中の右端に見えるのが、細埼。そしてその奥が西表島。

 

◇写真中央、左側の赤い屋根が、次に目指すゴーストリゾート

 

ゴーストリゾート?

次に向かったのは、小浜島ビーチリゾート。

ここは、今は別荘として利用されているけれど、かつてリゾート施設だった場所。

自転車屋さんのおじさんから、リゾート施設内から見る海がきれいだよってことで行ってみた。

最初に来たときは、海まで行かず、途中で集落に向かってしまった。

なので、どんな場所に行けるのか、景色が見えるのか、楽しみだった。

行ってみると、そこは、こんな感じだった。
誰一人おらず、静か。水着があれば、泳げたなぁ。

◇聞こえるのは、打ち付ける波の音だけ。

 

 

集落にはかつてのテレビドラマの舞台が

リゾートのあとは、集落へ。

小浜島は、NHKのドラマ「ちゅらさん」の舞台。
以前撮影に使われた場所がまだ残っている。

その一つ「こはぐら荘」を撮影して、集落を通過。次の目的地へ。

◇「こはぐら荘」。中には入れないので注意。

 

マングローブの森

本土にいると、マングローブなんて見ることはなかなかないけれど、沖縄や石垣に行くと、身近に観ることが出来る。

観て、どうこう感じるものじゃないけど、一応見どころの一つなので、行ってみる。

◇マングローブ林。

 

途中、ヤギと遭遇。小浜島では、いたるところでヤギに遭遇する。放し飼いもいて、近くまで寄ってもあまり怖がったりしない。

◇かわいいヤギ。

 

細崎へ

今回小浜島に行くことを決めた理由は、以前泊まったゲストハウスのオーナーに会いに行くこともあった。

港を起点に捉えると、細埼はまさに反対側。島の一番端っこという表現がふさわしい。

港から細埼までの道のりは、以前に小浜島を訪れた時のことを、各地点で順に思い出しながら進んで行った。あまり変わっていない島の様子に、なぜか少し安心した。都会にはない、のんびりとした、緩やかなおおらかさが、この島の魅力だと、自分自身が感じているからだろう。

 

素朴で、唯一無二のゲストハウス「パナパナ」

充実した時間を過ごせたのは、飾らぬ素朴さが特徴のゲストハウス「パナパナ」さんの魅力も大きかった。

細崎のまさに先端、西表島を目の前に見られる絶好の場所に位置するゲストハウス。西表島を目の前に独占できる位置で、夕食を食べたことは、今でも鮮明に覚えている。
高級さや、華やかさは正直なところない。けれど手作りの、心のこもった料理は、高級感にも華やかさにも勝るものだった。ほっとする優しい味付けの数々の料理、本当においしかった。

そんなことを思い出しながら、細先に向かう最後の下りの坂道を、自転車で爽快に風を切りながら進む。風は、照りつける日差しの強さを、和らげてくれる。

 

前回の訪問を覚えていてくれたオーナー

アポなしの突然の訪問。オーナーはいるだろうか?そして、覚えていてくれるだろうか?

ドキドキしながら、敷地内を進む。

◇ゲストハウス「パナパナ」さんの入り口

 

すると、目の前にオーナーが。

「えー?」「あれ?」「どーしたの?」そんな二言、三言から会話が始まる。

数年間という時空を超えて、以前過ごした時と同じ空気に包まれる。

このゲストハウスのオーナーは、本当に不思議な人。
陽気で明るくサバサバしている人だと思う。けれど、どこかに寂しさや暗さも秘めている感じがする。

人間味があふれる人、そんなオーナーの人柄がいたるところに感じられるリゾート。唯一無二な空間が、来る人の心を引きつける。

◇手入れの行き届いた中庭。

 

僕は、このゲストハウス前の海が見える庭が本当に好き。またいつか戻ってきたい。
そう思いながら、景色を写真に収めた。

◇「パナパナ」さんの庭。目の前に広がるのが、西表島。

 

マンタがいる海人(うみんちゅ)公園へ

ゲストハウスのすぐ隣には、細崎漁港。そして、大きなマンタの展望台のある海人公園がある。

◇遠くからでもはっきり見えるくらい大きい。展望台もある。

 

小浜島の周辺は、マンタが良く見られる海としても知られている(僕はダイビング中見られなかったけど、ダイビングのインストラクターは、本当によく見られますと言っていた)。

マンタのオブジェの中は展望台になっている。そこから、西表島方面が良く見える。何もないけれど、ゆっくり、時の流れを楽しむのには、絶好の場所。

 

シュガーロードはもうない???

細崎を後にし、上り坂、下り坂を繰り返す道を、ひたすら漕ぎ進み、シュガーロードを目指す。

ドラマで有名な道は、今・・・

サトウキビ畑の間に、まっすぐ道が通っているから「シュガーロード」。

NHKのドラマ「ちゅらさん」に登場。
それがきっかけで、小浜島で一番有名な道、一番小浜島らしい景色と言われる場所になった。

◇左がサトウキビ、右は牧草。以前は両方にサトウキビが・・・。

 

改めて、道がどこまでもずっと続き、空とつながっているような感じがすることを実感。

 

が、しかし、一つ気が付いたことが。
前回の訪問時に比べ、サトウキビがない・・・。
サトウキビの生産ではなく、牧草の生産に切り替わっている感じ。

◇太陽の降り注ぐ大地で、のんびり過ごす牛。

 

サトウキビが風に揺られて、「さらさら、ざわざわ」と音を鳴らしていた景色が懐かしく思えた。

 

最後の観光スポットは、はいむるぶし

”はいむるぶし”、小さい頃、TVCMを見たことがきっかけで、何のことか分からないけど「はいむるぶし」って言葉だけは、頭にずっと残っていた。

”はいむるぶし”が、八重山諸島の方言で、南十字星を意味することを知ったのは、大人になってから。

いつか泊まってみたい、あこがれのリゾート施設。連泊して、のんびり、ゆったりとした時間を楽しみたい。

 

あっという間の島一周

はいむるぶしを出発し、製糖工場を過ぎれば、もう小浜港。島内をのんびり巡る、約5時間の自転車旅行。

昔来た時の、思い出を一つ一つ振り返りながら、改めて、素朴な島の魅力を再発見出来た時間。

近いうち、また戻ってくると、心に決めた。

 

(番外編)COFFEE HOUSE ヤシの木

自転車周遊中に立ち寄った喫茶店。

小浜島産サトウキビから作った黒糖を使ったサンデーを頂く。優しい黒糖の甘さ、そして汗だくの身体を癒してくれた冷たいアイスクリーム。

 

シンプルで温かみのある木で作られた家具は、居心地が良い。心もリラックスできた。