Flight Note(MH0071:2018年6月) – memorandum#00016 –

09/13/2018

総括

2018年6月に利用したMH0074便(マレーシア航空71便)、成田~クアラルンプール行きのフライトメモ。

エアバス社の新型機、A350-800型機への初搭乗。マレーシア航空が、A380型機に代わる主力機として導入している機材。専用のHPの用意もあり、マレーシア航空が、とても力を入れて導入を進めている事が分かる。

HPで紹介されていた、新しいシートや機内インテリアを、実際に利用してきた感想と共にまとめた。



 

フライト・レビュー

チェックイン

この日は、Rカウンターでチェックイン。

ワンワールドメンバーに属するJALが、地上オペレーション業務を担当しているのかと予想していたけれど、違っていた。

◇フライトインフォメーションが旅立ちの気分を盛り上げる

 

スイス航空のグランドスタッフが応対。

チェックインは、ファースト、ビジネス、エコノミーとオンラインチェックイン用の窓口に分かれている。

◇赤と青のマットが、プレミアムクラス入り口に用意されている

 

担当してくれた係員はとても丁寧で、会話も上手。

新しく就航したA350型機は評判がよく、快適性に優れると話していた。

ワンワールドの上級会員は、そのステータスレベルに合わせて、ファースト、ビジネスのカウンターが利用できる。ステータスを利用すれば、スムーズなチェックインが可能。

オンラインチェックインを使うメリット

会員ステータスがない場合は、オンラインチェックイン(Webチェックイン)をしておくとよい。

ほとんどの会社で、空港にオンラインチェックイン済のお客様用のカウンターが用意されている。通常の列よりも、並んでいる人が少なく、荷物預け入れが早く完了することが多い。

 

ラウンジ

ワンワールド会員向けファストトラックは利用せず

チェックイン後、出国審査場へ。Rカウンター側には、JAL専用のファストトラックがある。こちらは、JAL便を利用する方のみが利用できる(今回は利用できず)。

ワンワールド用のファストトラックもある。しかしロケーションがRカウンターからは遠く、通常のセキュリティレーンに行くことにした。

混雑していなかったので、JALのファストトラック利用時と変わらぬスピード感だった。

JAL運営のラウンジへ

自動化ゲートで出国審査を完了したのち、JALラウンジへ。
成田のJALラウンジは、出国審査場を出てすぐの場所にあり、アクセスしやすいのが魅力。

◇シンプルで、品のある、家紋のようなJALのロゴが目印

 

JALのラウンジは、いつ来ても、快適で、清潔に保たれているところが好き。
開放的な空間で、ゆったりとしたスペースのインテリア配置も魅力。

◇ラウンジ内は、少し照明を落としている

 

◇大きな窓からは、JAL機がたくさん見える

 

そしてなんといっても、成田のラウンジでは、職人によるお寿司のサービスが楽しめることがありがたい。

◇職人が目の前で握る寿司。いつもとてもおいしい

 

「JAL ビーフカレー」はJALラウンジの名物。ごろっとしたビーフがたくさん。「こんなにお肉が!」と言わせんばかりの、ビーフの存在感に、JALのこだわりと貫禄を感じる。

◇肉の旨みに加えて、果実味を感じるほのかな甘さも魅力

 

また、季節ごとに、銘柄が変わるシャンパンや、プレミアムワイン各種も。

◇飲んだことのない銘柄に出会える楽しみが、毎度味わえる

 

日本酒の品揃えも充実しているところは、さすが日本のエアライン。

◇お寿司と日本酒のコンビネーションは、最高

 

出発前に、食事を楽しみ、シャワーを浴び、旅行前の準備を快適に整えることが出来る。

 

カンタス航空のラウンジへも立ち寄る

マレーシア航空71便はサテライト利用。サテライト側にあるカンタス航空のラウンジで、搭乗時間を待つ。

既にカンタス航空を利用するお客様が去った後だったので、ラウンジ内は閑散としていた。ラウンジ内にいる人は、すべてマレーシア航空に搭乗予定の人だと思われる。

◇サテライト側にある、カンタス航空のラウンジ内部の様子

 

カンタス航空のラウンジの良いところは、オーストラリア産ワインが充実しているところ。スパークリングワインをはじめ、赤・白も数種類が常備されている。

◇種類が豊富なワインコーナー

 

食事も、重く負担がかからないようなライトな印象のものが多い。温かいスープやサラダなどを頂いた。

◇品数は少ないが、品質の高いフードが揃っている

 

お茶のセレクションも、実はとてもよい。
各種フレーバーティーが揃っていて、気分に合わせてセレクト出来る。



 

搭乗

マレーシア航空71便は、成田を出発する便の中でも、最も遅い時間帯に飛ぶ便の一つ。

サテライト側から出発する。メインターミナル内も、サテライト内も、夕方ごろまでの混雑した様子とは違って、閑散としている。21時を過ぎると、免税店も閉店し始める。

◇マレーシア航空の出発時刻は、後から4番目

 

搭乗開始は、出発の20分くらい前かららしいが・・・

搭乗券に記載された時間が近づき、指定のゲートへ。

が、搭乗の始まる様子はない・・・。
搭乗順の案内が明確に出ていなかったり、クラスごとの列を作る位置もなかなか決まらず、ゲートオペレーションにはいくつか課題が感じられる。

◇ゲート前の準備がまだできておらず、列が作れない

 

お客様のシーティングの最終調整やら、ノーショーのお客様の対応等をしているようだったが・・・、スタッフの数も十分そろっているので、分担して業務を進めれば、もう少し効率的にできたのではないかと感じた。

◇画面表示と、地上係員が指示する整列場所が、実は不一致



 

機内

予定搭乗時間をしばらく過ぎたのち、搭乗開始。
ファーストクラス利用のお客様を、機内に案内し終えたのち、ほかのクラスの搭乗を開始。

◇ボーディングブリッジを渡り、いよいよ機内へ

 

優先搭乗のタイミングで搭乗

利用するクラスば、エコノミーだったが、ワンワールドメンバーのステータスを利用して、優先搭乗した。

初A350型機。ビジネスクラスやエコノミークラスの様子を早く確かめたったこと、乗客が着席する前に、出来るだけ写真に収めたかったので、優先搭乗は有利だった。

ビジネスクラスを写真撮影しながらゆっくり通過し、エコノミークラスへ。

◇ビジネスクラスを通過し、エコノミークラスに到達

 

A350型機にはExtra Leg-room Seatが

エコノミークラスは3-3-3の配列。最前列は、 “Extra Leg-room Seat”と名前の付いた足元広々シート。3列(計あり、計27席設置されている。

他社で言うプレミアムエコノミークラスのようなイメージだろうか。座席には、青いヘッドカバーが付いている。

◇青いカバーが目印の”Extra Leg-room Seat”

 

座席間隔が32インチ程度の通常シートより、4インチ大きい36インチ。足元に十分な感覚が確保されていると感じられるレイアウト。JALの新間隔エコノミーを彷彿させる。

◇ブラッケット、枕、ヘッドフォンが用意されている

 


シート特性は以下の通り。
・3-3-3の配列、軽量薄型のシート
・6インチのリクライニングシート、シートピッチは36インチ、幅は18インチ(27席配置)
・関節式リクライニング、4方向レザーヘッドレスト、スリムなデザインのアームレスト
・静電容量式タッチスクリーンとマルチタッチジェスチャー、ワイドスクリーン、高精細(HD)の明瞭度(1080p)の11インチ個人モニター
・115V AC 電源とUSB 2.0ポート
・食事用テーブル、フルサイズのシートポケット、フットレスト


今回のフライトでは、バルクヘッド席かつ隣が空席。前方の十分なスペース、左右にも空間が、とても快適だった。

◇「安全のしおり」や「機内誌」が

 

通常のエコノミーは赤いカバー

3-3-3の配列。220席ある。”Extra Leg-room Seat”との違いは、シートピッチが31~32であること。
ほかの機能は、すべて共通。

◇エコノミークラスは、赤いカバーが目印

 

事前座席指定

今回のフライトでは、予約時点から、この3列を含めた、すべての席のシートアサインが可能だった。
MHでは、座席指定は有料なのだが、ワンワールド上級会員だと、無料で出来ると思われる。

座席指定は48時間前に可能となる、WEBチェックイン開始時にすれば無料。

ただし、”Extra Leg-room Seat”を、エコノミークラス利用者が指定できるかはわかりません。もしかすると、空港で調整する席とか、上級会員向けにロックされている席かもしれない。



 

ビジネスクラスはどんな感じ?

優先搭乗した際、ビジネスクラスにはまだほとんど乗客がいなかった。座席の様子を写真に収めた。

◇フルフラットにもなる、シート。さすが、ビジネスクラス

 


詳しいビジネスクラスのシート機能は、以下の通り(マレーシア航空のウェブサイトから引用)
・1-2-1 / 1-2-2 seat formation, 90% of seats with direct aisle access(1-2-1 / 1-2-2のレイアウト、90%の席が、直接通路へアクセス可能)
・Total of 35 seats with seat pitch of 44 inches and seat width of 22 inches(座席ピッチ44インチ、座席幅22インチの合計35席)
・Full-flat bed length of 78 inches(フルフラットベッド、長さ78インチ)
・Features pneumatic cushion to adjust seat firmness(シートの硬さを調整するための空気圧クッションを備える)
・Capacitive seat control, retractable armrest for passengers with reduced mobility(電動のシートコントロール、引き込み式アームレスト)
・Individual 16-inch IFE screen with capacitive touchscreen and multi-touch gesture, touchpad handset, widescreen, High-Definition clarity (1080p)(静電容量式タッチスクリーンとマルチタッチジェスチャー、タッチパッドハンドセット、ワイドスクリーン、高解像度(1080p)の16インチIFEスクリーン)
・Primary and secondary (for Bed Mode) passenger control units(通常時とベットモード用の旅客制御ユニット)
・Equipped with 115v AC PED power supply and USB 2.0 port(115VのAC電源、とUSBポート)
・Each seat comes with extensive work surface, mood lighting, personal stowage with mirror, phone and bottle holder, coat hook(広範囲の個人用スペース、照明、鏡付きの個人用収納、電話とボトルホルダー、コートフック)



 

機内食・機内サービス

離陸後1時間くらいして、機内食のサービスがスタート。
2種類からの選択だった。

僕は、ラウンジで食事をしていてお腹がいっぱいだったので、朝食として、時間をずらして食べさせてもらうことにした。

◇ヌードルを選択。お蕎麦、枝豆、ひじきの煮物

 

マレーシア航空は、イスラム圏の航空会社。けれど、機内ではワインやビールも楽しめる。
酒類は、積極的に薦めてこない印象。しかし、リクエストすれば、提供してくれる。お酒が飲みたいときは、遠慮せずオーダー。

深夜便ということもあり、機内食の配膳が終わった後は、消灯した。
時折、乗務員が客室内を歩き回り、飲み物を配ったりしていた。

マレーシア到着前には、軽食が配られた。「おにぎり」か「サンドイッチ」の2つから選べた。

◇ツナのおにぎり、ちょっと冷たく、お米が硬いのが残念

 

クルーは気さくで、テキパキしている

今回のフライトでは、日本人乗務員および日本語を話す乗務員はいなかった。よって、機内アナウンスも、マレー語と英語のみだった。

マレーシア航空のスタッフは、少し力の抜けた、軽めのサービスをする人が多い印象を持っている。日系のようなちょっと過剰とも感じるサービスはあまりなく、さらっとした印象。かといって、米系のようなドライさもなく、居心地は良い。

以前、マレーシア航空を利用した人から、ほとんどの乗務員が、ずっと仕事をさぼって、ギャレーにこもりきりだったと聞いたことがあるが、何度か利用した限りでは、そんなことは一度もなかった。

適度なスピード感と、適度な距離感を保った接客は、僕は好きだ。
日系とは違い、客の要望を察して何かするということは、ない。しかし、何か必要な場合には、はっきりと申し出ることが大切。リクエストすれば、きちんとやってくれる。

 

◇クアラルンプール国際空港に到着

 

偶然の再会

このフライトでは、2018年4月に利用した(バンコク→クアラルンプール便)でお世話になった乗務員と、偶然にも再会した。たまたま、彼女の担当エリアにも重なっており、成田を出てから、クアラルンプール到着まで、常に気にかけてくれたのは、大変ありがたかった。

 

フライトデータ

航空会社 マレーシア航空(MH)
便名 MH0071
区間 成田(NRT)~クアラルンプール(KUL)
スケジュール 21:40 → 04:10
飛行時間 7時間30分
機材 A350-900
クラス F/C/Y(利用はY)

◇マレーシア航空71便、エアバスA350型機の様子