さとう食堂(利尻島) – memorandum #00011 –

08/09/2018

総評

2018年5月に、日本の最北端(宗谷岬)を訪ねる旅の一環で、利尻島へ。

利尻島のフェリーターミナル前にある「さとう食堂」を訪ねた時の記録。

利尻島近海で採れた海藻をふんだんに使った、「海藻ラーメン」は記憶に残る一品。

 

レビュー

フェリーターミナル前には、数店舗あるが・・・

フェリーターミナルを出てすぐ、目の前には、お土産さやんと食堂がある。

が、5月下旬は、やっているお店も少なく、まだ閑散としている。

その他、ターミナル内にも食事が出来る店がある。定食屋とカレーやの2店。

考えた末、昔からやっていそうで、ローカル色が強そうな、「さとう食堂」で食べることに。

◇「島の母さんの味」、このキャッチフレーズにひかれた。

 

想像通りの、昔ながらの食事処

◇店内の風景

中に入ってみると、目の前には、ほんわかとした昔ながらの食堂が。想像したイメージ通りの食堂。”The昭和”的なレトロ感が、good。

 

メニューはこんな感じ

大きく分けて、定食系とラーメン系。

定食は、生姜焼きとか、ホッケが。
丼ものとラーメンが数種類(基本は同じ作りで、トッピングを変えて、バリエーションを増やしている模様)。

◇入り口にもメニューが掲げられている

 

お勧めは?

ホッケ定食にしようかな・・・と思い、女主人に注文したところ、

「(すでにオーダーが入っていて、提供に)時間がかかる!」とのこと。

かなり、インパクトのある言い方で、どうしてもほかのメニューをオーダーしてほしい様子。

なので、この女主人(女優の鳳蘭さんにとても似ている、「利尻の鳳蘭」と呼びたい)に、お勧めを聞いてみた。

すると、
「一押しは、海藻!」と。

「えっ?海藻?」それが、一押し?って正直思った。

なぜなら、海鮮が一番値が張って、それが一押しだと思ったから。

が、しかし、どうやら、一押しは”海藻”のようだ。

「利尻の鳳蘭」様のお勧めにしてみることに。

 

待つこと数分、これが、その海藻ラーメン。

海藻が、これでもかというほど山盛りで、麺は海藻で見えないくらいに覆われている。その海藻の量に、おどろいた。

◇海藻ラーメン

 

海藻から出る磯の香りがユニーク

スープをまずは、一口。ちょっと「塩辛い?」感じもしたが、海藻と合わせて食してみると、塩辛さが薄まってちょうどいい。海藻に味があまりないから、少し濃い目のスープとの相性が良いのかも。

麺は少し太め。コシもあり、小麦の風味も良い。

(あとで知ったが、西山ラーメンさんの商品を使っている。)

 

侮るなかれ、海藻ラーメン

何種類か海藻が入っているのだけど、判別できたのは、「わかめ」だけ。

それ以外は、まったく名前が分からない。

マダムに聞いてみた。

-「うちは、4種類海藻を使っているのよ!」
-「わかめ、ぎんなんそう、ふのり、まつぼ。」
-「どれも島で採れた、新鮮な海藻よ。」
-「ここでしか、食べられないわよ。」

-「だから、人気ナンバー1なのよ。」と。

 

はい、マダムのそのお言葉に間違いはない。

海藻から出るエキスが、スープに徐々に染み出し、スープがどんどんおいしくなる。一口進むたびに、海藻から出るうまみが増していく。

マダムの言う通り、海藻ラーメンは、おいしくて、「ここでしか食べられない逸品」であった(笑)」

 

マダムは怯まない

食事中、台湾人の団体様が来店。

異国に遊びに来た高揚感からか、まあ、とにかくにぎやか。席にもつかないで、マダムにあちらこちらで、中国語でまくし立てる。

が、しかしそこは「利尻の鳳蘭様」。

そんな、団体様にも、マダムは怯むことなく、冷静沈着。「まずは、落ち着いて座ってください!」「順番で聞きますから」と日本語で、抑制。

台湾からの団体さん、一人を除き日本語は誰もわからなかったけど、マダムの迫力には、どうやら、降参だったらしい。

さーっと静かになり、席に着いた(笑)。

 

予想していなかった繁盛振りに、店は大わらわ。

当初は、マダムとヘルプの2名体制だったけど、台湾人の団体様のご来店で、天手古舞に。

マダム、いつの間にか、どっからか人を呼んできて、厨房は総勢5人にパワーアップ

マダムは、ヘルプの4人を上手に仕切って、団体客のオーダーを順序良く提供。

異国のお客様の訪店にも、大量の注文にも、マダムは、冷静沈着。

さすが「利尻島の鳳蘭」様。

芯がぶれず、肝が据わっいて、ご立派。

 

話は焼き魚に戻って

焼き魚、なぜマダムがあれだけ強く他のメニューを勧めたのだろうか。

その疑問が頭に残った。

その答えは、厨房にあった

焼き魚専用の機器が調理場があるのかと思ったら、なんと調理場にあったのは、普通の家にあるのガスコンロ。

どの家にもある、あのコンロのグリルを使って魚を焼いていたのだ!

だから、焼き魚の提供に時間がかかるのか・・・

最大で4匹焼くのが精いっぱいらしい。なるほどね~。

◇お店の外観

 

固有なキャラクターが素敵な持ち味の方がたくさん

利尻島滞在を思い出すと、さとう食堂の鳳蘭さん、オタトマリ沼の昆布屋さんのマダムたち、この島には、個性的で素敵なマダムがたくさんいることに気が付く。

雄大な利尻富士を眺めるだけでなく、島の素敵なマダム、お姉さん方との心の交流もお忘れてはいけない。

人とのふれあいが加わり、おいしい食の時間は、さらなる忘れがたき時間に昇華した。

 

アクセス

住所:〒097-0101 北海道利尻郡利尻富士町鴛泊港町
電話番号:0163-82-1314