audrey hepburn – memorandum #00006 –

08/09/2018

概要

ある百貨店で実施している、女優オードリー・ヘプバーン展に足を運んだ。
オードリーと言えば、妖精にたとえられる可憐さ、そしてモデルのような華麗な姿が魅力的な、20世紀を代表する女優の一人。

約150点の写真を通して、映画での活躍ぶり、ファッションアイコンとしての姿、そしてプライベートな一面まで、新たな魅力を感じた有意義な時間。

モノクロ写真の美しさを改めて感じた時間であり、昔の女優さんは、やはり気品、優雅さが今の女優さんたちとは比べ物にならないなと、改めて感じた時間でもあった。

 

レビュー

「ローマの休日」は、何度でも観たくなる映画の一つ。
いつ観てもすがすがしく、みずみずしい気分にさせられる。その魅力を引き出しているのは、女優オードリー。

彼女の出演する映画を、今までにたくさん観た。
けれど、彼女の活躍した時代そのものを、ともに生きたわけではない。
だから、彼女が、活躍した時代に、どのように彼女は女優人生をすごし、プライベートな時間を過ごしたのか、すごく気になっていた。

今回の写真展では、そんな気持ちが、少し満たされた気がした。
気心知れたフォトグラファーによって撮影された写真に、女優オード-リーのプライベートな心内を見せられたような気がしたから。

◇映画「ローマの休日」からの一枚(写真展にあった撮影可・SNS拡散可のポスターより)

 

女優として、常に演技に自信がなかった・・・

どの映画も、華麗なヒロインとして輝き、出る映画ごとに、違う印象を強烈に残している女優のイメージがあった。
それゆえに、僕のなかでは、彼女は常に、女優としての自信にあふれ、演技にもとても自身があったのではないかと思っていた。

しかし、今回の写真展で、良く目にしたのは、「演技に自信がなかった」という彼女の言葉。
「演技の勉強をせず、女優になった。だから確固とした自信がつかめなかった・・・。」
そんな彼女の気持ちを初めて知った。

演技に自信がなかったから、彼女は、人一倍の努力をし、セリフを完璧に頭に叩き込み、撮影にはとても真摯に参加していたそう。

演技に自信がなかったがゆえに、衣装の力を利用していたとも。
用意されたファッションに身を包めば、自然と役柄に入り込みやすく、演じることに自信がつく・・・そう考えていたなんて。
だから、ファッションに関しても、とても勉強していたそう。

何をどのように身につければ、自分に自信を与えられるのか、それを見定められる力。
人一倍努力し、仕事に臨む姿勢。
どちらも、自分自身にはまだまだ足りないところ。
彼女の姿を知り、改めてより努力をしたいと感じた。

 

ジバンシーとの関係

今回の写真展では、ジバンシーとの写真や、彼の作品をまとったオードリーの写真もいくつか展示されていた。

ジバンシーとオードリーは、生涯にわたって友情関係を築いたとか。

どうデザインすれば、顧客の魅力をより引き出すことができるのか、デザイナーなら誰しも考えること。

しかし、ジバンシーの服を着る、オードリーの姿からは、ジバンシーが、顧客(オードリー)の魅力を引き出したデザイナーの役目以上の何かを感じる。
それは、たぶん愛情だと思う。恋人関係とかそういうレベルではない愛。

愛を持って接し、愛を持って接し返す・・・

そんなつながりが二人の間にはあったのでしょう。

僕の人生にも、そういう愛を感じ合える友人が何人かいる。
とても幸せなことだ。
愛を感じ合える人に、僕は生涯あと何人出会えるのだろうか、そんなことも、ふと感じたひと時だった。

◇映画「ティファニーで朝食を」からの一枚(写真展にあった撮影可・SNS拡散可のポスターより)